クラフトビールについて素敵な情報をご紹介している当サイト。「醸造家が教えるビール講座」と題し、ビールコラムを掲載していますが第8回はビールの原料、ホップのお話です。ホップがビールに入っているということはみなさんご存知かと思います。
ビールのお店に行くと「○○ホップ使用」という謳い文句を見かけることもありますね。そのくらいホップはビールときっては切れない、大切な材料です。
ですが、ホップの名前を聞いても、それがどんなホップなのか分かる方は少ないのではないでしょうか。ビール好きの方でもピンと来ないかも。
今回はビアバーでよく目にするホップの特徴を、個別に紹介していきたいと思います。
アメリカンホップだけでもたくさんの種類があった!
今回はIPAなど爽やかな香りに使用されることが多い「アメリカンホップ」についてご紹介いたしましょう。
アメリカンホップだけでもものすごくたくさんの種類があるのです!
1、カスケード
アメリカのクラフトビールシーンにおいて、絶対に外すことができないメジャーなホップです。シェラネバダペールエールやアンカーリバティエールなど、多くのアメリカンペールエール・IPAにも使われています。大きな特徴は、柑橘系の爽やかな香り。苦味のもととなるα酸は5%程度と低いため、アロマホップとして使われることが多いです。
2、シトラ
その名の通り、柑橘系の香りが特徴のアメリカンアロマホップ。注目すべきはそのオイル含有量で、「カスケード」の約3倍の香り成分が含まれています。シトラを使うことで、強烈な柑橘香がダイレクトにビールに反映されるのです。
3、モザイク
近年注目を集めているとても人気のホップです。非常に複雑ながら強烈なアロマをビールにもたらすので、IPAでよく使われています。モザイクの面白いところは様々な香りを内包しているので、ビールによって感じ方が変わることです。使い方ひとつで表情が変わるユニークなホップです。
4、シムコー
パッションフルーツやパイナップルに例えられる、独特のアロマを持つホップです。近年、流行しているNEスタイルIPA(濁ったジューシーな味わいのIPA)などによく使われています。
そのほかの特徴として、シムコーは苦味付けに使うホップとしても優秀であることが挙げられます。
α酸は苦味を出す成分ですが、フムロンとコフムロンを中心に、いくつかの種類があります。フムロンは、一般的にクリーンで好ましい苦味があると言われています。
シムコーは、えぐみが出やすいコフムロンの割合が非常に低く、クリーンな苦みのビールに仕上がります。苦味が主役となるIPAでは苦味の質にこだわり、シムコーをビタリングホップ(苦味をつけるためのホップ)として使うことがあります。
ホップに詳しくなるとビールを飲むのがもっと楽しくなる!
ホップについて詳しくなると、ビアバーでビールのうんちくを語れちゃうかも。ぜひ、ホップに注目してビールを飲んでみてくださいね。
次回はヨーロッパのホップについて解説いたします。お楽しみに!
ほかのお酒は飲まなくてよいというほどのビール好き。
クラフトビールについて日々勉強中です!