2018年酒税法改正、徹底解説② なんとビールの「定義」が変更、それに伴う醸造量のハードルの変化とは?

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2018年に改正された「酒税法」について2回にわたり解説しています。今回は2回目ですが、ざっくりと前回のおさらいから始めましょう。

2018年4月の酒税法改正で3つの変更!

実は酒税法改正により、3つの大きな変更がなされました。

1. 酒税の税率の変更
2. ビールの定義の変更
3. 上記のビールの定義の変更に伴い、醸造量のハードルが上がる

「1. 酒税の税率の変更」は前回説明した通り。ビールの税率が安くなり、第3のビールの税率が上がったというお話でした。

では、今回は2と3について詳しく見ていきましょう。

2. ビールの定義の変更

今までのビール、新たなビールの定義の違いを表にまとめました。

まずはこちらの【図表】ビールの定義の変更をご覧ください。

ざっくりいって大きな変更は以下の2つです。

2−1. ビールの範囲の拡大

新たなビールの定義で注目は
麦芽比率が50%まで引き下げられたこと。これはホップまたは水以外の原料に占める麦芽の割合が100分の50以上であること。
使用した副原料(果実及び一定の香味料の重量)が麦芽重量の100分の5を超えないこと。

かなりビールの定義が広がったんですね。

2−2. 副原料の範囲の拡大

副原料も以前より幅広く使うことが認められました。。これまでは麦、米、トウモロコシは認められていましたが新たに副原料として追加されたものがたくさん。以下が新しい副原料です。

  • 果実
  • コリアンダー・コリアンダーシード
  • 香辛料(胡椒、山椒等)
  • ハーブ(カモミール、バジル等)
  • 野菜
  • そば・ごま
  • 含糖質物(はちみつ、黒糖等)・食塩・みそ
  • 茶・コーヒー・ココア(これらの調製品を含む)
  • 牡蠣・昆布・わかめ・かつお節

*ただし、上記の副原料の重量の合計は、麦芽の重量の5%まで

このように以前に比べ、「ビール」の定義は微妙に変更されました。

3. ビールの定義の変更に伴い、醸造量のハードルが上がる

続いて、「3. ビールの定義の変更に伴い、醸造量のハードルが上がる」について考えていきましょう。

ビールの幅が広がったのにどうしてハードルが上がってしまうのでしょう。これはちょっと専門的なお話になります。

まず基礎知識としてお伝えしたいのが「発泡酒免許」と、「ビール免許」でブルワリーが生産してよい量が異なるということ!

発泡酒免許:年間の生産量6Kリットル以上
ビール免許:年間の生産量は60Kリットル以上

今までのブルーパブや小規模醸造ブルワリーでは麦、米、トウモロコシなど以外の副原料(茶葉、コーヒー豆、黒糖、フルーツ等)を入れてビールではなく発泡酒というジャンルで免許を取得するところが多かったんです。

つまり、今までは副原料をいっぱい入れたりフルーツを使ったものを作るときは「発泡酒」だったので、年間製造量6Kリットルのハードルを越えればよかったのです。

しかし今回の改正では副原料の範囲がかなり広がりそれらも「ビール」に定義されてしまうことに。今までの製法していたものは発泡酒ではなくビールという扱いにされてしまいます。そうすると年間の生産量が60KL以上必要になってしまい、製造設備の導入コストは格段に跳ね上がってしまいます。また醸造できたとしても販売先の確保が課題に。つまり、個人や規模の小さい会社での参入は難しい状況になってしまったのです。

ただ、この中で1つポイントとなってくるのが、副原料の使用比率が麦芽重量の5%まではビールになるということ。裏を返せば5%を超えるものは発泡酒のジャンルに区分されるという事なので、まだ税制的にも不確定要素があるようです。今後の動向を追う必要があります。

今回の酒税法改正によって、クラフトビールの盛上りが鎮静化されないように、知恵を絞ってより多くの事業者が参入してさらにクラフトビールが盛り上げていきたいですね!

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