東京・浅草橋にあるクラフトビールの醸造所Craft Beer Company(クラフトビールカンパニー)。
そこでヘッドブルワーを務めるのが木水朋也さんです。
今回は、木水さんが、どうしてブルワーという職業に就いたのか、ブルワーとして働く上でのこだわりや夢は何なのか、そんなお話を聞かせていただきました。
お酒好き酒販店のサラリーマンがブルワーとしてビールを造るまでに
木水さんはブルワーになって5年目。
学生時代からお酒が好きで、元々は東京の酒販店に営業として就職したそうです。
クラフトビールとの出会いは、その酒屋時代。
得意先のバーでアンカー社のリバティエールを飲んだのが初めてでした。
ビールなのにマスカットのような香りがすることに驚き、調べたところから、クラフトビールの世界にのめりこんでいったのだとか。
酒販店の仕事としてもお酒に携わる木水さんが、造ることに興味を持つのも時間の問題だったのかもしれませんね。
その後、木水さんはブルワーを募集していたサンクトガーレンに採用され、ブルワーとしてのスタートを切ります。
ブルワーという仕事に就いてみて
サンクトガーレンにブルワーとして入社し、3か月ほどで仕込みに携わることになった木水さん。
あれ?そんな早く一人前になれるの?と思ってしまうかもしれませんね。
木水さん自身も、想像していた職人的な勘やセンスではなく、きちっと正確に手順をこなすことが求められている仕事なんだなと感じたそうです。
ただ、それは既存のレシピでその通りに作るという仕事だったから。
後に木水さんは、レシピ作りから携わるようになり、想像以上の奥深さ、面白さもも味わうこととなります。
浅草橋・クラフトビールカンパニーのヘッドブルワーになる
こうして、木水さんはサンクトガーレンでのブルワー経験を活かし、クラフトビールカンパニーのヘッドブルワーとなりました。
東京・浅草橋という立地は、ブルワリーにとって、とても珍しいように感じますが、木水さんは「今はまだその特徴を活かしきれていない」と言います。
アクセスの良い立地を活かし、地方のブルワリーには出来ない下町ならではの取り組みをしていきたいということ。
クラフトビールカンパニーのビールは、ビアスタイルを重視していない分、個性的で遊びの多いビール。
たしかに、ネーミングひとつとっても「ねこぱんち」「新宿銀河」など遊び心が感じられるものが多いですね。
名前も味も一度飲んだら忘れられない、そんなインパクトの強いビールこそがクラフトビールカンパニーの特徴です。
木水さんのクラフトビールへのこだわりとは?
木水さんのこだわりは「自分で経験した、感じたことを最重要視してビールを作る」こと。
できるだけ固定概念を取り払い、自由な着想で作ることを心がけた結果生まれたのが「グラマラスIPA」や「グラン・ルージュ」です。
「グラマラスIPA」は、バイナップルを想わせる強烈な香りがたまらないジューシーな味わいのジール。
「グラン・ルージュ」は、オーク樽やココナッツのような複雑な香りが楽しめるワインのようなビール。
どちらも、木水さんのこだわりを体現した枠にはまらない独創性の高いビールとなっています。
そして、そんな出来上がりが自分のイメージにぴったりと合った美味しいビールを造ることが喜びだと語る木水さん。
お酒好きが高じてクラフトビールの魅力にとりつかれた木水さんだからこそ伝えられる「美味しさ」なのかもしれませんね。
お酒好きが高じてブルワーになった木水さんの夢とは?
木水さんが一番好きなクラフトビールカンパニーのビールは、その「グラマラスIPA」。
「グラマラスIPA」を造る中では、試行錯誤の末、様々なテクニックを習得できたのだとか。
木水さんにとっては、ブルワーとしても、ビールとしても成長できた想い入れの強いビールだそうです。
もちろん、お客さんからの反応が良いのも理由のひとつ。
自分の造ったビールが多くの人たちに飲まれる、そしてその人たちから反応がある。
これこそがブルワーの醍醐味なのかもしれません。
木水さんの夢は、クラフトビールカンパニーで造ったビールが世に広まり、新たなビアスタイルとして認知されること。
そのために世界的なコンペでの評価も視野に入れています。
全ては「美味しいビール」のために。
お酒好きが高じてブルワーにまでなった木水さんの夢は大きく広がりをみせます。
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