アメリカのライトビール市場でクラフトビール醸造所が再注目されている

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本記事では、アメリカでのクラフトライトビールの人気の再燃と、人気銘柄、美味しさを損なわずに低カロリーでアルコール度数の低いビールを開発した醸造技術について紹介します。

ライトビール市場でクラフトビール醸造所が再び脚光を浴びている

クラフトビール醸造所が、ライトビール市場を大手ビールメーカーから取り戻してきています。

クラフトビール醸造所が創意工夫を重ねて、ビール好きが求める「しっかりとした味わいがあって、さらに、アルコール度数も低い」ライトビールを開発したことが躍進の背景にあります。

アライドマーケットリサーチグループの調査によると、2019年のライトビールの市場規模は約2850億円でした。同社では、ライトビールの市場規模は2027年までに約3380億円規模にまで成長することを見込んでいます。

クラフトビール醸造所のライトビール市場での躍進を支えているのは、若い世代と、女性のビール消費者です。

この消費者グループにおけるクラフトライトビール人気は今後も持続、または、拡大していくこと予想されています。

アメリカで人気のクラフトライトビール「マインドヘイズ ライト」を紹介!

次は、人気のクラフトライトビールの一つである、ファイアストーンウォーカー醸造所の「マインドヘイズ ライト」について紹介します。

ファイアストーンウォーカー醸造所は、新しいライトビールではなく、「マインドヘイズ」など、既存の人気IPAビールのライト版を作りました。

しかし、人気商品である「マインドヘイズ」が持つ魅力を損なわずに、アルコール度数を4%にすることは簡単なことではありませんでした。

人気商品マインドヘイズ ライトを開発した醸造技術

ライトビールを製造する際に最も難しいこととして、いかに従来の味わいを損なうことなくカロリーとアルコール度数を下げるかがあります。

ファイアストーンウォーカー醸造所にとっても、最初の難題はカロリーとアルコール度数を下げることでした。

同醸造所は、解決策として「アルファアミラーゼ」と呼ばれる酵素を使用しました。アルファアミラーゼが、でんぷん分子を劣化・加水分解させ、酵母によって分解されやすくするからです。

これはブリュットIPAの醸造にも用いられる方法です。ブリュットIPAでは、ボイルケトルに酵素を加えることでビールにドライで軽やかな味わいを持たせています。

一方で、マインドヘイズ ライトの場合は、穀物をすり潰す際に酵素を加えています。この手法により、ビールがドライになりすぎないようにしたのです。

しかし、デンプンの複合性を酵素で分解してしまうことによる問題も発生します。ビールの口当たりのよさや、エステルやフーゼルアルコールの香り、さらには、フルーツ、グラノーラ、シトラスが混ぜ合わさった風味が損なわれてしまうことです。

では、同醸造所はどのようにして、炭水化物とアルコールの割合を増やすことなく、ビールにこれらの風味を持たせたのでしょうか?

醸造責任者であるマット・ブライニルドソン氏は次のように語っています。

「より高濃度でビールを醸造した後に希釈をすれば、酵母が糖を分解する仕組みによって、ビールによい風味をもたせることができます。

高比重で醸造することで、エステルを取り戻すことができました。この方法により、ビールにより良い口当たりと、高比重醸造で作られたかのような風味があるかのような感覚を消費者に与えることができるのです。

また私たちは、グリスト(粉砕した麦芽)とホップの使用スケジュールを作ることで、ビールにより良い香りと口当たりの良さを加えることができました。

最後の問題は、無糖甘味料などの材料を入れることなく口当たりの良さを完全に取り戻すことでした。私たちはその答えを正しい種類のホップスを選ぶことに見出しました。

一般的にホップスはビールに香りを持たせることを主な目的として使用される材料と捉えられていますが、実は、ホップスはビールに口当たりの良さとコクを持たせることができるのです。

2013年にファイアストーンウォーカー醸造所の人気商品イージージャックを開発していた際に、多くの醸造所がモザイクホップスがビールに味わいや香りだけでなく、口当たりの良さをもたらすことを発見しました。

そこで、私たちは、モザイクホップスを他の種類のホップスと組み合わせることで、醸造の際に重要になる主原料を作ったのです。

私たちが使うモザイク、カシミア、サブロなどのホップスはビールに口当たりの良さ、ホップス独特の風味を持たせることができます。私たちはあらゆる手法を用いてライトIPAに、IPAが本来持つ風味とバランスを持たせています。」

マインド ヘイズ ライトは、元のマインドヘイズと多くのレシピを共有しており、同じ酵母や、小麦とオート麦を使用したグリストレシピが含まれていますが、アルコール度数はわずか4%に抑えることができたのです。

参照記事
“How Craft Breweries are reclaiming Light Beer”

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