クラフトビール初心者におすすめの本〜歴史好きの方に
クラフトビールについて知識を深めたいと思ったとき、「とりあえず飲んで覚える!」という方法も悪くありませんが、先にある程度の基礎知識を頭に入れておいたほうがより楽しく学べる可能性が高いです。
今回は、ビールにまつわる歴史や人物という視点から知識を深められる本をご紹介。背景を知っておくとビールを飲むときに「このビールが出来上がるまでにはこんな苦労があったんだな」と思いを馳せながら味わうので、より美味しく感じるようになることでしょう。
日本のビール 面白ヒストリー:ぷはっとうまい(小学館)
【楽天ブックス】日本のビール 面白ヒストリー:ぷはっとうまい
サッポロビールで広報を勤められていた方が書いたこちらの本。幕末から明治時代にかけての日本のビールの歴史が書かれています。19世紀に長崎でオランダ人が造ったことから始まった日本のビール醸造。今のように温度管理や品質管理が徹底できなかった時代、そして冷蔵庫も普及していなかった時代には常温で発酵させることができる上面発酵のエールが主流だったそうです。
ドイツに留学した人たちの知識から、下面発酵のラガーが主流になっていった流れ、それに伴って涼しい場所を求めて北上し北海道が醸造地として選ばれた話など、日本の地理が頭にある日本人だからこそ自国の歴史と絡めて楽しめる面白さがあります。
ビールの世界史こぼれ話(ジョルダン)
古代、ビールがどのように生まれたのか知っていますか?
時期については紀元前8000年〜4000年と大きく分かれており諸説あるようですが、エジプトから始まったという説が有力なのだとか。少なくとも紀元前1700年半ばにメソポタミアを支配したハンムラビ法典にすでにビールの記述があったそうです。
当時はパンを原料にして造っていたそうですが、どんな味だったのでしょう。きっと今のビールのほうが美味しいと思うのですが、ここまでビールやワインが発展した歴史を考えると、きっと美味しくて人気があったからこそ発展したのでは?とも思うんですよね。タイムマシンがあったら、ナイル川を眺めながら紀元前のビールを飲んでみたいと思ってしまいました。
近代に至るまでのビールの裏話満載で楽しく学べる一冊です。
ビール世界史紀行 ビール通のための15章(筑摩書房)
海外でビール製造が発展した背景には修道院でのビール造りもその拡大に大きく貢献していました。キリスト教と切っても切り離せないのがビールの存在です。日本とは違ってきれいな水が手に入りにくかったヨーロッパでは、ビールやワインが水代わりに飲まれていました。
「ヨーロッパの父」とされるフランク王国のカール大帝はビール好きとして知られていました。彼は多くの修道院を建立しましたが、そこで造られた”おもてなし用のビール”を修道士たちが創意工夫したことで、ビールの味の向上に大きく影響したのだとか。
ビールの歴史と基礎知識を、歴史上の有名人に絡めて紹介してくれている本なので、すっと頭に入りやすいです。
歴史と絡めて知ることで頭に入りやすいクラフトビールの基礎知識
今回ご紹介したこちらの3冊は、小話が満載で飲み会の場などで披露とするとウケそうな小話もたくさん載っています。歴史が苦手という人もお酒を絡めて学ぶとスッと頭に入りやすく感じるのは、きっと私だけではないはず。
余談ですが、人気海外ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」でエールを飲むシーンがやたらと出てくるのですが、中世のビールの歴史を知ってから改めて観ると面白そうだな、と思いました。知識が深まるとビールの楽しみ方もまた違う角度から広がるのではないでしょうか。
普段は女性誌のWebをメインに恋愛コラムを執筆。
ソムリエ資格も所持。
お酒全般好きですが、ビールは柑橘系のフルーティーなものが好み。最近は草むしりの後のビールが美味しすぎてハマってます。