【ビール通への道②】麦と麦芽の違い知ってた? クラフトビールの原料を詳しく解説

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第2回の今回は麦と麦芽について説明させていただきましょう。大麦も麦芽も耳にしたことはあるけれど、実際どういうものなのかをちゃんと語れる人は意外と少ないのではないでしょうか?

クラフトビールの原料、大麦をざっくり解説!

ビールに大麦が使われていることはビール好きのみなさんなら、みなさんご存知ですよね。でもどうして大麦はビールを作る原料に適しているのでしょう?そもそも同じ麦でも小麦とは違うの?

クラフトビールの原料はどうして麦? その理由は?

麦といってもビールに使われる麦は「大麦」の場合が多いです。パンやうどん、パスタなどの原料となっている小麦とは同じ「イネ科コムギ属」という共通点がありますが、実は特徴がまったく違います。

小麦はグルテンが含まれていてパンをふっくらにできるのに対し、大麦にはグルテンが含まれていないというのが特徴的です。

ではその大麦がビールに使われているのは、なぜでしょう。ズバリ、醸造過程で重要な「糖化」しやすい原料だから。

ビールの醸造にはでんぷんを分解してより単純な糖類に変える必要があります。糖類にならなければお酒にならないのです。ちなみに殻の有無でも糖化のしやすさは変わってきます。

実は大麦そのものには糖は含まれませんが、麦はわずかな熱を変えるだけで糖化するんです。でんぷんを豊富に含んだ穀物ゆえに糖化しやすいということです。

見てきたように大麦は、ビールの原料に適しているんです。

小麦を使ったビールはどんなビール?

一方で小麦を使用したビールもあります。その代表格がやわらかな泡が魅力で白ビールと呼ばれる、「ヴァイツェン」。これは大麦麦芽に加えて小麦麦芽が使われたビールです。

一方で、同じく人気のビアスタイルのひとつ「ピルスナー」は小麦麦芽を使用しない、といった規定があります。

原料よってスタイル、味が大きく変わるのはクラフトビールならではですね。

麦芽って一体何? クラフトビールの味に関係はある?

次に「麦芽」について考えていきましょう。麦芽という言葉はよく耳にしますが、一体どんなものなのでしょう?

簡単にいうと水に浸すなどして、麦の発芽を促した状態のこと。

大麦に含まれたデンプンがアルコールの素となりますが、デンプンだけではアルコールになりません。上にも書いた「糖化」という工程によってデンプンを糖分に変える必要があります。

その糖化のために必要な酵素を麦自身の中に作るために、麦を発芽させる必要があるのです。

この麦芽次第でビールの味は大きく変わってきます。

焙煎の方法で、ビールの味も色も変わる!

麦芽を乾燥し、火を入れる「焙燥」という作業の度合いによりできる麦芽の色が変わり、これが風味にも影響をもたらすのです。麦芽の色が濃くなると、いわゆる黒ビールに使われる濃色麦芽になります。黒ビールにはよく火が通った麦芽が使われる、と覚えておくとわかりやすいかもしれません。

ビールを飲むときに今回紹介した、麦や麦芽のことを思い出してみてください。そして、ビールの味だけでなく色にも注目してみて。いつものビールがよりおいしく堪能できるはずです!

▼参考
『ビール大全』・2017年8月・楽工社
サントリーHP
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