東京の下町でクラフトビールを造るということ~ライナ株式会社 小川社長インタビュー

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2005年に大阪で飲食店を開業、2007年より拠点を東京に移し飲食店を経営、2016年にはビール醸造事業を開始したライナ株式会社の代表取締役 小川雅弘社長。

新宿にあるBrewPub「VectorBeerFactory」内のIPA専門醸造所 新宿Beer Brewingに加え、現在は生産量の拡大に伴い浅草橋ビール醸造所 Craft Beer Company(クラフトビールカンパニー)を構えています。

小川社長は、なぜクラフトビールの醸造所を手掛けようと思ったのか、また東京の下町 浅草橋でビール醸造所を運営する中での苦労や夢を語っていただきました。

なぜクラフトビールを造ろうと思ったのか

学生時代、世界のビールを扱うお店でアルバイトをしていたことをきっかけにビールが大好きになったという小川社長。

その後、近所のビアバーで初めて国産のクラフトビールを飲んだ時に感動したそうです。

そこから、いつかクラフトビールの専門店をやってみたいという小川社長のビール事業の想いはスタートしました。

大きなきっかけは、飲食店を経営する中で訪れた店舗拡大。

新宿御苑にあるVector Beer(ベクタービア)の隣に2号店Vector Beer Factory(ベクタービアファクトリー)をオープンする計画を立てていた際、「せっかくなら自分たちで創ったビールをお客様に飲んでもらいたい!」という想いが生まれました。

醸造の許可を取得するまで大変な思いをしたりもしたそうですが、計画から1年後、最初のビール醸造所 新宿BeerBrewingが始まります。

元々、飲食店を展開する中での店舗の内装なども「自分でやってみたい!作ってみたい!」と手掛けることが多く、そこで差別化を図ってきたという小川社長。

ビール醸造に着手するのも小川社長の中では、ごく自然な流れだったのかもしれません。

新宿BeerBrewingの生産量が追い付かなくなったことから、生産量を拡大し本格的にビール醸造を行う目的でクラフトビールカンパニーが浅草橋に誕生しました。

浅草橋でビール醸造を行うということ

小川社長は、クラフトの町である浅草橋で今の醸造所の場所となった物件に出会ったことに運命を感じたそう。

すぐに契約し、クラフトビールカンパニーがスタートします。

ただ、実際に東京の下町でクラフトビールを造ってみると、住宅地のため、音や臭い、工場の規模など、様々な問題が出てきたのだとか。

最近は、生産量が増えてきたことにより、新しい倉庫探しにも苦労しているそうです。

クラフトビールカンパニーのビールへのこだわり

クラフトビールカンパニーのビールは、より多くの人が楽しめるよう飲みやすいものからビール好きが好きな濃いめのビールまで幅広いタイプを造るようにしているということ。

ブルワーが自由にレシピを考え造るのもクラフトビールカンパニーの特徴のひとつです。

中には野菜のビーツを使ったビールなどユニークなものも生まれたのだとか。

造り手がクラフトビールを楽しんで造ることから、飲み手のクラフトビールの楽しみも広がるようですね。

また、クラフトビールカンパニーは、初めてクラフトビールを飲む人との出会いも大切にしています。

クラフトビールを飲んだことがない!そもそもクラフトビールってどんなもの?

と思っている人が先入観や固定概念にとらわれずクラフトビールが楽しめるように考えているとのこと。

そのため、ベクタービアでは都内最安値を心がけ、均一価格でクラフトビールを提供しています。

価格からビールの味を想像したり、気になるビールを諦めて欲しくない。

その想いは小川社長自身が初めてビアバーで国産のクラフトビールを飲んだ時の感動を伝えようとしているようにも思います。

クラフトビールカンパニーのビールが飲める場所

現在、ライナ株式会社が展開する飲食店のうちクラフトビールを売りにしたお店は6店舗。

クラフトビールカンパニーのビールはそのお店で飲むことが出来ます。

また、浅草橋の醸造所クラフトビールカンパニーに行けば、瓶入りのビールを購入することが可能。

(販売は月~土の10:00~18:00。都合により販売していない時もあります)

さらに、ローソン調布国領町3丁目店、ローソン御徒町駅南口店でも瓶ビールが販売されています。(2018年12月現在)

クラフトビールの夢はさらに広がりをみせて

小川社長は、今後さらなる生産量拡大のために新たな工場を作りたいと語ります。

ゆくゆくは関東近郊でビールの原材料となるホップや麦芽を作る農園も展開したい、クラフトビールをもっと広めるために流通にも取り組んでいきたいと、クラフトビールへの情熱や夢は尽きることがないよう。

アルバイトでビールが大好きになり、ビアバーで国産クラフトビールに出会って感動したことをきっかけに、ビール醸造までを手掛けるようになった小川社長の想いは、きっとこの先も実現されてゆくのでしょう。

最後に、クラフトビールカンパニーのビールの中で小川社長のお気に入りを教えていただきました。

「グラマラスIPA」というニューイングランドスタイルのビール。

『ジューシーでホップの香りもしっかりあり、うまい!』ということ。

みなさんもぜひ、一度味わってみませんか?

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