ヘイジーIPA(Hazy IPA)とは、アメリカ北東部のニューイングランド地方で誕生したIPAスタイルのクラフトビールです。「Hazy(ヘイジー)」とは英語で「霞がかった・濁った」という意味で、その名のとおりビールの液体が濁っているのが最大の見た目の特徴です。「ニューイングランドIPA(NEIPA)」とも呼ばれ、従来のIPAとは一線を画す飲みやすさで人気を集めています。
この記事でわかること:
- ヘイジーIPAとは何か、通常のIPAとの違い
- ヘイジーIPAが濁る理由と味・香りの特徴
- 初心者でも選べるおすすめ銘柄10選
- アルコール度数・ホップ・苦みで選ぶポイント
ヘイジーIPAとは?ニューイングランドIPAの基本を解説

ヘイジーIPAは2010年代にアメリカ・バーモント州のブルワリー「ジ・アルケミスト(The Alchemist)」が生み出した「ヘディ・トッパー(Heady Topper)」が原点とされています。当初は幻のビールとして全米のビールファンの間で話題になり、やがて世界中に広まりました。
従来のIPA(インディア・ペールエール)は強い苦みとクリアな液体が特徴でした。一方、ヘイジーIPAはろ過をあえて省くことで液体が濁り、ホップ由来のジューシーなアロマをそのまま閉じ込めた新しいスタイルです。苦みを示す数値「IBU(国際苦味単位)」は通常のIPAが40〜70以上あるのに対し、ヘイジーIPAは20〜35程度と大幅に低く抑えられています。
2026年現在、国内では950を超えるクラフトブルワリーの多くがヘイジーIPAを定番ラインナップに加えており、コンビニや酒販店でも手軽に入手できるようになっています。
ヘイジーIPAの特徴|ジューシーで濁った理由
見た目:オレンジ色のにごりが特徴
ヘイジーIPAの第一印象はその見た目です。グラスに注ぐと、黄色からオレンジ色にかけての濁った液体が広がります。この濁りは酵母(イースト)やタンパク質がビール中に漂うことで生じます。通常のビール製造ではろ過によって透明に仕上げますが、ヘイジーIPAはあえてろ過せず、自然な状態を保ちます。この「無ろ過」こそがジューシーな味わいと豊かなホップアロマを生む秘密です。
香り:トロピカルフルーツの爆発
ヘイジーIPAの最大の魅力はその香りにあります。グラスに注いだ瞬間から漂うのは、マンゴー・パッションフルーツ・パイナップルといったトロピカルフルーツの香りです。この香りはホップ由来で、シトラ(Citra)・モザイク(Mosaic)・ギャラクシー(Galaxy)・ストラタ(Strata)などのホップが代表的です。熱を加えずに「ドライホッピング(乾燥ホップを後添加する手法)」することでフレッシュなアロマをビールに移します。
味わい:苦みは控えめ、まるでフルーツジュース
苦みが少ない柔らかい口当たりは、IPAが苦手という方にも受け入れやすいです。甘みと果実感が口いっぱいに広がり、後味もクリーンです。アルコール度数は5〜8%程度のものが多く、飲みごたえも十分です。
ビールスタイル全般の基礎知識については、IPAとペールエールの違いを徹底解説もあわせてお読みください。
ヘイジーIPAおすすめ銘柄10選|国内外の人気ビール

2026年現在、日本で入手しやすいヘイジーIPAをセレクトしました。初心者向けから上級者向けまで、バリエーション豊かな10本をご紹介します。
- ヤッホーブルーイング「インドの青鬼(ヘイジー版)」:長野県軽井沢を拠点とする国内最大手のクラフトブルワリーが手がけるヘイジースタイル。シトラとモザイクホップを使用したトロピカル感溢れる一本で、全国のコンビニやECでも入手しやすい。
- 伊勢角屋麦酒「NEIPA」シリーズ:三重県の老舗ブルワリーが毎週リリースするフレッシュNEIPA。海外ブルワリーとのコラボ作も多く、個性豊かなラインナップが魅力です。
- Far Yeast Brewing「Tokyo Hazy」:山梨県小菅村の清流で仕込むクラフトビール。東京でも人気の高いブルワリーで、繊細かつジューシーな仕上がりが特徴。
- 六甲ビール「ヘイジーセッション」:神戸・六甲山麓で醸造。アメリカ産ストラタホップを使用し、イチゴや柑橘系の複雑な香りが魅力。アルコール度数4.5%で飲みやすい。
- 箕面ビール「ヘイジーIPA」:大阪の実力派ブルワリー。関西を中心に高い人気を誇り、ジューシーかつ複雑なホップアロマが楽しめます。
- Sierra Nevada「Hazy Little Thing IPA」(アメリカ):アメリカを代表するシエラネバダのヘイジーIPA。5%とコンパクトながら柑橘系のホップアロマはたっぷり。輸入品として酒販店などで入手可能。
- ブルックリン・ブルワリー「パルプアート ヘイジーIPA」(アメリカ):ニューヨーク発の老舗。マンゴー・パイナップル・グレープフルーツのアロマが広がるトロピカルなヘイジーIPA。アルコール度数6.8%で飲みごたえも充分。
- ミッケラー「Hazy IPA」(デンマーク):デンマーク発のジプシーブルワリー。クリーンな仕上がりと爽やかな飲み口が特徴。IBU25程度で初心者に最適。
- コエドブルワリー「ヘイジーセゾン」:埼玉県川越を拠点とする有名ブルワリー。ヘイジーとセゾンをかけ合わせたユニークなスタイルで、酵母由来の複雑な香りが印象的。
- The Alchemist「Heady Topper」(アメリカ):NEIPAの元祖とも言われる伝説の一本。バーモント州発祥のヘイジーIPA発祥銘柄。日本への輸入は限られますが、クラフトビール専門店で稀に入手できます。
ヘイジーIPAに合う料理の詳しい選び方はクラフトビールと料理のペアリング解説もご参照ください。
ヘイジーIPAの選び方|アルコール・ホップ・苦みで選ぶポイント
アルコール度数で選ぶ
ヘイジーIPAはアルコール度数の幅が広く、軽いものから濃いものまで揃っています。
- 〜5%(セッションヘイジー):初心者や複数本楽しみたい方に最適。食事中にも飲みやすい。
- 5〜7%(スタンダード):ヘイジーIPAの主流。バランスよく香りと飲みごたえを楽しめる。
- 7%〜(インペリアルヘイジー):ホップ感が最大化されたスタイル。上級者向け。
ホップの品種で香りを選ぶ
ラベルやブルワリーのウェブサイトに使用ホップが記載されていることがあります。好みの香りを探してみてください。
- シトラ(Citra):グレープフルーツ・ライム・トロピカルの爽やかな香り
- モザイク(Mosaic):ブルーベリー・パイン・柑橘系の複雑な香り
- ギャラクシー(Galaxy):パッションフルーツ・ピーチの甘い香り(オーストラリア産)
- ストラタ(Strata):イチゴ・柑橘・パインの複雑なアロマ
苦みレベル(IBU)で選ぶ
IBU(国際苦味単位)はラベルやブルワリーのウェブサイトに記載されていることがあります。初心者の方はIBU20〜30程度のものから始めると飲みやすいです。IBU35以上になると、従来のIPAに近い苦みが感じられる場合があります。
まとめ:ヘイジーIPAで広がるクラフトビールの世界
ヘイジーIPAはクラフトビール初心者から上級者まで楽しめる、2026年現在も絶大な人気を誇るスタイルです。ここまでの内容をまとめます:
- ヘイジーIPAはニューイングランド地方発祥、濁った見た目が特徴のIPA
- 苦みが少なく、フルーティー・ジューシーな味わいで初心者にも飲みやすい
- トロピカルフルーツ系のホップアロマが最大の魅力
- アルコール度数は5〜8%が中心、セッションタイプは4.5%前後
- 国内では伊勢角屋麦酒・ヤッホーブルーイング・箕面ビール・Far Yeast Brewingなどが代表的
- アルコール度数・ホップ品種・IBUを参考に好みに合った一本を選ぼう
IPAが苦手と感じている方も、一度ヘイジーIPAを試してみてください。苦みを超えた先にある、クラフトビールの豊かな世界が広がっています。
23歳の時に古いビル1棟を飲食ビルにして起業。
ビールが好きすぎてクラフトビール醸造はじめちゃいました。

