アメリカのクラフトビール市場はかつてない活況を呈しています。
新たに建設されるクラフトビール醸造所の数が、閉鎖される醸造所の約3倍になっているほどです。
2023年もアメリカのクラフトビール市場は拡大することが予想されています。
本記事では、現在予想される2023年のアメリカクラフトビール市場のトレンド10選を前編・後編に分けて紹介します。
後編で紹介するトレンドは次の5つです。
新鮮なホップを使ったビールが増える
2012〜2018年にかけて、アメリカのホップ栽培地の面積は約80%、ホップ生産量は77%増えました。
これらの統計はクラフトビールメーカーが新鮮なホップを入手しやすくなったことを示しています。
クラフトビールメーカーは新鮮なホップを使用した缶ビールを発売し、消費者から大きな好評を得ました。
ホップの栽培地に近い幸運な醸造所は新鮮なホップに飛びつくでしょう。
ヘイズビール人気は続く
ニューイングランドヘイジーが全米で大ブームになり、その人気は衰えを見せません。
Hazyはジュースのように飲みやすく、ビールの苦味が好きではない人からも親しまれています。
Hazyは初心者がクラフトビールを知るきっかけになっているのです。
専門家達はヘイズビール人気はこれからも続くことを予想しています。
しかし、多くのメーカーが既に参入していることもあり、かつてのようなブームが今後起きる可能性は低いかもしれません。
クラフトビールメーカーは今後、典型的なホップフレバーのビールと、フルーティーな味わいがあるビールを新たに開発してバランスを取ろうとするでしょう。
味に微調整を加えることが今後のヘイズビール開発の方向性になるように見受けられます。
クラフトモルツへの注目が高まる
ホップはビールにエキゾチックな味わいを持たせることができます。
しかし、多くのクラフトビールメーカーは、より品質の高いビールを作るためにはホップ以外の材料も重要だということに気付きました。
クラフトビールメーカーは特に「麦」に注目するようになっています。
アメリカの麦の生産者は、ビール業界からの需要の増加を見越して生産量を増やしています。
《小規模:モルトの収穫量が5~10,000トン/年の範囲内
地域性:モルトに使用する穀物の半分より多くが、製麦所の半径500マイル/800km圏内で栽培されたものを使用
独立性:製麦所の株式76%以上を製麦所が独自で所有していること》
タップルームが高い集客効果を見せる
クラフトビール市場の成長は、ビール工場に併設された「タップルーム」と呼ばれるバーの存在によるところが大きいです。
クラフトビール市場は新規ブランドで溢れかえっているため、一般の販売店ではとてもカバーしきれません。
また、販売店に並んでいる銘柄だけでも種類が多いため、消費者はどのビールを買えばよいか迷ってしまいます。
しかし、実際に商品を味わえる工場直営のタップルームであれば、消費者がクラフトビールを買うためのハードルは低くなります。
ほとんどのクラフトビールメーカーが、利益の大部分はタップルームでの直販売によるものだと回答しています。
多くのミレニアル世代が、ビールについての造詣を深めるために週末の午後をタップルームで過ごしています。
ミレニアル世代にとって、タップルームは現代の居酒屋なのです。
クラフトビールの多様化はさらに進む
2023年にクラフトビール業界は、より多様性のある業界になっているでしょう。
世界中のクラフトビールメーカーが、自社の持つ独自の文化を広めるためにフェスティバルのようなイベントに参加したがっています。
クラフトビールの多様性がもたらす変化は、ビール業界全体の成長に寄与しています。
結論として、クラフトビール業界の成長と変化はこれからも続きます。
参照サイト
“Craft Beer Marketing & Industry Trends Shaping 2023“