アメリカのクラフトビール市場はかつてない活況を呈しています。
新たに建設されるクラフトビール醸造所の数が、閉鎖される醸造所の約3倍になっているほどです。
2023年もアメリカのクラフトビール市場は拡大することが予想されています。
本記事では、アメリカクラフトビール市場の2023年のトレンド予想10選を前編・後編に分けて紹介します。
前編で紹介するトレンドは次の5つです。
サワービールの人気が上昇する
爽快な酸味のあるフルーツフレーバーが特徴のサワービールの人気が近年、爆発的な高まりを見せています。
いくつかのメーカーによると、実際の出荷量ではなく、出荷全体に占める割合という意味にはなるが、サワービールは他の種類のビールよりも消費が増加しているとのことです。
人気が上昇している理由の一つには、サワービールの種類が年々増えていることがあります。
スムーズな飲み口を楽しめるものから、フルーティーで強い味わいがあるものまであり、ワインやカクテル愛好家から好まれる傾向があります。
サワービールはクラフトビール初心者だけでなく、愛好家からも親しまれています。
ラガービールへの評価が高まる
ラガービールは長年「本物のクラフトビール」とは見なされてきませんでした。
しかし、慣れ親しんだ味わいを求める新規層は、IPAよりも、ラガービールを好む傾向にあります。
実際に、ラガービールの製造が得意ないくつかのクラフトビールメーカーは多くの消費者を獲得しました。市場におけるIPA1強状態は変わってきています。
ラガービールの人気と売り上げは今後も増えることが予想されます。
CBD入りビールが登場する
いくつかの州でのマリファナの合法化や、CBDオイルの人気を考慮すると、CBD入りのビールが登場する日も近いでしょう。
CBDは大麻草の精神に作用しない部分(茎・種子)から抽出される成分です。
摂取しても、リラックス効果があるのみで、いわゆる「ハイになる」ことはありません。
多くのクラフトビールメーカーがCBD入りビールの発売を予定しています。
しかし、最初は数量限定生産にとどめ、人気が出たら増産をする予定です。
2018年までは何種類かのCBD入りビールが認可されていましたが、後にアメリカ麻薬取締局が認可を取り消したことも背景にあります。
ロゼビール人気は続く
ロゼビールの需要と認知度は2023年にさらに高まることが予想されています。
クラフトビールメーカーは、カリフォルニアで最高のブドウ園のブドウを発酵させることで、ワインの風味を持つビールを醸造しています。
スイートピンクワインからインスパイアされたロゼビールは、クラフトビール市場を席巻することでしょう。
クラフトビール市場が拡大する
クラフトビールはアメリカのビール市場におけるシェアの約12%を占めています。
ここ数年クラフトビール市場は伸び悩み、数パーセント程度の伸びしかありませんでした。
しかし、クラフトビール市場は今後さらに拡大することが予想されています。
予想の根拠として、消費者層の世代交代があります。
今後はクラフトビール人気を支えてきた若者世代が主な消費者になります。一方で、年齢の高い世代は歳を重ねるにつれて、ビールの消費量が少なくなります。
若い世代にとってクラフトビールは特別なものではありません。大手のビールメーカーの製品にどれほどの歴史や伝統があったとしても、ミレニアル世代にとっては「親世代が飲むビール」なのです。
参照サイト
“Craft Beer Marketing & Industry Trends Shaping 2023“