この記事でわかること:
- ヘイジーIPAの特徴と通常のIPAとの違い
- 苦みが少なくフルーティな理由と醸造のポイント
- 国内・海外のおすすめヘイジーIPA銘柄10選
- 自分に合ったヘイジーIPAの選び方と飲み方
ヘイジーIPA(Hazy IPA)は、クラフトビールの中でも特にジューシーで飲みやすいスタイルとして、ここ数年で急速に人気を集めています。濁ったオレンジ色の見た目と、パイナップルやマンゴーのようなトロピカルフルーツを思わせる豊かな香りが最大の特徴です。「ビールは苦くて飲みにくい」と感じている方にも、ぜひ試してほしい一杯です。
ヘイジーIPAとは?生まれた背景と基本特徴

ヘイジーIPAはアメリカのバーモント州やマサチューセッツ州など、北東部のニューイングランド地方で生まれたビアスタイルです。正式名称は「ニューイングランドIPA(NEIPA)」とも呼ばれ、2010年代中頃からクラフトビール愛好家の間で急速に広まりました。
「Hazy」とは英語で「霞がかった・濁った」という意味で、名前の通り透明感がなくオレンジ〜黄色がかった外観が特徴です。この濁りは、ホップやタンパク質・酵母が意図的に残されることで生まれます。
主な特徴をまとめると:
- 見た目:オレンジ〜黄色の濁りがある外観
- 香り:トロピカルフルーツ(マンゴー・パイナップル・パッションフルーツ)や柑橘系(オレンジ・グレープフルーツ)の華やかなアロマ
- 味わい:通常のIPAより苦みが控えめで、ジューシーでやさしい飲み口
- アルコール度数:5〜7%程度が多い
通常のIPAとヘイジーIPAの違いを比べると
IPA(インディア・ペールエール)は元来、ホップの強い苦みと香りが特徴のビアスタイルです。一方、ヘイジーIPAは同じIPAの系譜でありながら、ホップの添加タイミングや酵母の選択を工夫することで、苦みを抑えてフルーティさを前面に出しています。
大きな違いは「ドライホッピング(乾式ホップ添加)」の量とタイミングです。ヘイジーIPAでは発酵後期や低温熟成中に大量のホップを加えることで、苦み成分(イソアルファ酸)ではなく香り成分(テルペン類)を最大限に引き出します。
また、小麦麦芽(ウィートモルト)やオーツ麦を使う醸造所も多く、これがまろやかなボディと独特の濁りを生み出しています。
2つのスタイルの主な違いは以下の通りです:
- 見た目:通常のIPAは透明〜淡いゴールド、ヘイジーIPAは濁ったオレンジ〜黄色
- 苦み:通常のIPAは強い、ヘイジーIPAは控えめ
- 香り:通常のIPAはホップの樹脂感・松ヤニ系、ヘイジーIPAはトロピカル・柑橘系
- 飲み口:通常のIPAはキレのある苦み、ヘイジーIPAはジューシー・まろやか
自分に合うヘイジーIPAを選ぶ3つのポイント

ヘイジーIPAには様々な種類があり、初めての方は何を選べばよいか迷いがちです。以下の3つのポイントを参考にしてください。
① アルコール度数で選ぶ
ヘイジーIPAはセッション(低アルコール:3〜4.5%)からダブル(8%以上)まで幅があります。初めての方には5〜6%程度のスタンダードなものがおすすめです。飲みやすさを重視するなら、セッション系(低アルコール)のヘイジーIPAから試してみましょう。
② ホップの産地・品種で選ぶ
アメリカ産のシトラ、モザイク、ギャラクシーなどのホップを使ったものは、典型的なトロピカル系の香り。ニュージーランド産のエコー・スプリングやネルソン・ソーヴィンを使用すると、白ワインのような独特の風味が加わります。缶やボトルのラベルにホップ品種が記載されている商品を選ぶと、より自分好みの1本に出会いやすくなります。
③ 醸造所(ブルワリー)で選ぶ
国内外にヘイジーIPAを得意とするブルワリーが増えています。気に入った1本を見つけたら、同じブルワリーの別ラインナップを試すのも楽しみ方の一つです。ブルワリーのこだわりや哲学を知ることで、クラフトビールの世界がさらに広がります。
国内外おすすめヘイジーIPA 10選
国内銘柄(日本のクラフトブルワリー)
1. ヤッホーブルーイング(長野県)のヘイジー系シリーズ
長野県軽井沢を拠点とするヤッホーブルーイングはヘイジーIPAにも積極的で、季節限定のヘイジー系ビールが人気。コンビニやスーパーでも入手しやすく、初心者の入門編としても最適です。
2. 伊勢角屋麦酒「ねこにひき(コラボ版)」(三重県)
三重県を代表するブルワリーのコラボビール。マンゴー・パッションフルーツ・桃を思わせるトロピカルフレーバーが全開で、アルコール度数8%の飲みごたえのある1本。本格的なヘイジーIPAを楽しみたい方に。
3. 六甲ビール「ヘイジー セッション」(兵庫県)
兵庫県のブルワリーが手がけるセッションタイプ。アメリカ産ホップStrataを使用し、イチゴ・柑橘系の複雑な香りが広がります。国際ビールコンペティションでの入賞実績もあり、品質は折り紙付きです。
4. COEDO(コエドブルワリー)シリーズ(埼玉県)
埼玉県川越市発の実力派ブルワリー。本格派でありながら飲みやすさも兼ね備えたヘイジー系ビールを展開。クラフトビール専門店での取り扱いも多く、贈り物にも喜ばれます。
5. 富士山ブルワリー(山梨県)
山梨県の清涼な水と富士山の自然環境で醸造。地元の風土を感じながら楽しめるヘイジー系ビールとして注目度が高まっています。旅行のお土産としても人気です。
海外銘柄(輸入クラフトビール)
6. ブルックリン・ブルワリー「パルプアート ヘイジーIPA」(アメリカ)
ニューヨーク生まれの定番銘柄。パイナップル・マンゴーの香りと心地よい苦みのバランスが絶妙で、ヘイジーIPAの入門編として最適です。輸入ビール専門店やオンラインで入手可能。
7. ブリュードッグ「ヘイジーJane IPA」(スコットランド)
スコットランド発の人気ブルワリーが作るヘイジー系。苦みを表すIBU(国際苦味単位)が25と低めで、アルコール度数5%とライトな飲み口。ビール初心者にも飲みやすいと高評価です。
8. ミッケラー「Single Hop Mosaic IPA」(デンマーク)
デンマーク発のクリエイティブなブルワリー。ホップ品種「モザイク」の個性を純粋に楽しめる1本で、トロピカルフルーツと松ヤニのバランスが独特です。
9. Alchemist(アルケミスト)「Heady Topper」(アメリカ・バーモント州)
ヘイジーIPAの原点ともいえる伝説的な1本。日本国内での入手は難しいですが、輸入ビール専門店で見かけたら必ず試してほしい逸品です。
10. Tree House Brewing「Julius」(アメリカ・マサチューセッツ州)
ニューイングランドIPAの名作として世界的に高評価の銘柄。シトラ・モザイクホップの組み合わせによる絶妙なアロマが特徴で、輸入専門店でのみ取り扱いがあります。
ヘイジーIPAの飲み方と料理との合わせ方
ヘイジーIPAは比較的新鮮さが命のビールです。ホップアロマは時間とともに変化するため、製造から3〜6か月以内に飲むのがベストとされています。購入の際は缶底や側面に記載された製造年月日を必ず確認しましょう。
飲む温度は8〜10℃が理想。冷やしすぎると香りが飛んでしまうため、冷蔵庫から出して少し待ってから飲むのがおすすめです。グラスはワイングラスやチューリップ型を使うと、香りが口元に集まりやすくなり、より豊かなアロマを楽しめます。
料理との相性は以下の通りです:
- エビやカニなどの甲殻類 → トロピカルな香りが際立ち、お互いを引き立て合う
- アジアン料理(タイカレー、フォー) → スパイシーな料理と相性抜群
- チキン系料理(照り焼きチキン、フライドチキン) → まろやかな酸味が引き立つ
- スパイシーなチーズ → ビールの甘みとチーズの塩気が好相性
クラフトビールと料理の合わせ方についてより詳しく知りたい方は、クラフトビールと料理のペアリング基本ガイドもぜひご覧ください。
まとめ:ヘイジーIPAで広がるクラフトビールの世界
ヘイジーIPAの魅力と選び方をまとめます:
- 苦みが苦手な方にも向く:通常のIPAより苦みが控えめ
- フルーティな香りが特徴:トロピカルフルーツや柑橘系のアロマが豊か
- 国内ブルワリーも増加中:日本各地の醸造所がラインナップを拡充
- 新鮮さが大切:製造から3〜6か月以内に飲むのがベスト
- 選び方の基準は3つ:アルコール度数・ホップ品種・ブルワリーで選ぶ
ヘイジーIPAはビールの固定観念を覆す、フルーティでジューシーな新感覚のスタイルです。「ビールは苦くて飲みにくい」と感じている方こそ、ぜひ一度試してみてください。クラフトビールの新しい扉が開ける体験ができるはずです。
IPAの基本についてさらに詳しく知りたい方は、IPA(インディア・ペールエール)完全ガイドも参考にしてみてください。
23歳の時に古いビル1棟を飲食ビルにして起業。
ビールが好きすぎてクラフトビール醸造はじめちゃいました。
