フレンチやイタリアンでビールを頼むのはマナー違反?

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「ワインが得意じゃないからビールを飲みたいけれど、フレンチやイタリアンでビールを頼むのはかっこ悪いと彼女に言われました。ダメなんですか?」

こんな質問を受けたので、今回はレストランにおけるビールの飲み方について回答してみようと思います。

イタリアンVSフレンチ

イタリアとフランスのビール事情を考えてみると、イタリア産のビールのほうが日本でも手に入りやすいですよね。「モレッティ」や「ペローニ」などの銘柄はレストランでもよく見かけるので、一度は飲んだことがある方も多いはず。

いっぽう、フランスのビールというとお隣のベルギーやドイツに比べると印象が薄いですよね。パッと思いつかない人が多いのではないでしょうか。これは、料理の観点からしてもビールに合いづらいものが多いからなのだと思います。イタリアはピザなどビールに合う料理が多いですが、正統派のフレンチはあくまでもワインに合う味付けで作られているものが多いのです。

レストランでのビールの立ち位置

いわゆる「グラン・メゾン」と言われるような格式の高い高級フレンチになると、「ビール自体を置いていない」というケースもあります。実は私自身、ワインの知識が全くなかった頃に、よく分からなかったので「乾杯のお飲み物はいかがしますか?」と聞かれて「ビールください」とフレンチレストランで言ったことがあるのですが、「当店にはビールはございません」と鼻で笑われてしまい、恥ずかしい思いをしたことがあるんです。

ビールに対するソムリエの意見は?

その後、ワインの世界に入って自分自身もソムリエ資格を取得した後、いろいろなお店のソムリエさんに話を聞いてみました。
その結果、

「高級フレンチでビールを頼むのは、単純に料理に合わないのでは」
「メニューにあるなら頼む人がいるということなので、あったら頼むのはOKだと思う」
「お店としてはソムリエがせっかく料理に合うワインをセレクトしているので、ワインを飲んだほうがいい。そんな高級店でビールを頼むのは確かに恥ずかしいよ」
「客が飲みたいならビールで正解。鼻で笑うなんてありえない。『僕もビール好きなんですが、ここは置いてないんですよ、ごめんなさい』くらい言うのが正しい接客。それは接客のレベルが低い」
「お店の雰囲気を見て判断すれば?他にもビールを飲んでいる人がいたら大丈夫でしょう」
「好きなものを飲めばいい。今どきビールがダメなんてよっぽどの店じゃないとないと思う」

など、様々な意見がありました。人によって、お店によってこれだけ見解が違います。

結局、フレンチやイタリアンでビールを頼んでいいの?

ただ、私も実際に言われてみて思ったのは「メニューにあるかどうか」を判断にするのが一番正しいのかなということです。お店の方針として、ビールよりワインを飲んで欲しいならビールは記載しないでしょうし、載っているということは他にも需要があるので置いているということでしょう。

でも、せっかく高級店にデートで行くならそのお店の料理と合ったお酒を飲んだほうが雰囲気を楽しめると思います。割といろいろなものに合わせやすいのがビールの魅力ですが、一皿と1杯のワインを合わせていくのがフレンチやイタリアンの楽しさだとしたら、美味しいお店なら後者のほうがより堪能できるはず。なので、お店の人におすすめを聞くのが一番楽しめるでしょうね。

クラフトビールとフレンチやイタリアンのペアリングが出来るお店も増えているので、そういったお店を探していくのもまた楽しいのではないでしょうか。


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