忘年会や新年会などの飲み会で遭遇するビールを注ぐシーン。いわゆる「お酌」です。
最近は「お酌なんてしなくていい」といった風潮があったりしますが、お酌はコミュニケーションを円滑に図るツールにもなるのです。
幹事側の親睦を深めて欲しいという意図で普段接点があまり無い人と同席することになった……
何か話そうにもきっかけがつかめない、気の利いた話題も思い浮かばない。
そんな時に助けてくれるのがお酌。
「ビールでいいですか?」の一言と共に瓶ビールを手にすれば、相手もそれに応じてくれます。
自己紹介などを添えてビールを注げば、会話のきっかけになるのではないでしょうか。
お酌のマナーは何のため?
ビールを注ぐお酌には、いくつかのマナーがあります。
マナーだなんて面倒だ!と思うかもしれません。
マナーなんて気難しい関係ではないかもしれません。
でも、マナーは「相手に気持ちよく過ごしてもらうため」の気遣いです。
絶対ではないかもしれませんが、注いだビールが美味しい方が良いですよね?
自分が美味しいビールを飲みたいと思うように、相手にも美味しいビールを飲んでもらいましょう。
気遣いで「美味しいビール」が提供できるという気持ちで心がけたいものです。
それは上司でも先輩でも、そして同僚や後輩でも同じこと。
誰から誰にお酌しなければならないというルールはありません。
お酌と聞けば、いわゆる「目上の方へ」をイメージしがちですが、上司が部下に、先輩が後輩にお酌をしたって良いのです。
「いつもありがとう」「頑張ったな」そんな労いの言葉と共にお酌をしてもらえば嬉しいですし、自分も上司や先輩のために!と思うはず。
もちろん、その逆もしかりです。お酌はそんなコミュニケーションを円滑にしてくれます。
ビールを注ぐときのマナー
ビールを注ぐ際には、ラベルを上にし見えるようにします。
これは「何を注いでいるか」わかるようにするため。
誰だって得体の知れないものを注がれるのはイヤですよね。
さらに、ビール瓶を持っている手とは反対の手で下側を支えるようにします。
丁寧な印象に見えるだけでなく、安定し、うっかり手を滑らせるようなシーンでも片手より対応しやすくなるから。
「片手が失礼」に納得できない人も、安定しない状態で手を滑らせてしまい、ビールをこぼしてしまった、相手にかかってしまった場の空気は想像出来ますよね?
誰もが気持ちよく過ごすための工夫なわけです。
上手にビールを注ぐポイント
注ぐ際には、最初はある程度勢いよく、次第にゆっくりと注ぎます。
最初の段階で泡を作り、徐々にビールを注ぎ足していく感覚です。
ビールを注ぐ時、グラスは直接口をつける部分ですから、瓶が当たらないようにしましょう。
泡は全体の3割程度が目安。
泡の調節がうまくいかない場合は、初めにゆっくりと注ぎ、泡の立ち方を見ながら勢いをつけ、再びゆっくり注ぐようにするのも手です。
ビールの泡には、香りの発散を防ぐ、空気接触による酸化を防ぐ、炭酸が抜けるのを防ぐ役割があります。
これも見た目だけの決まり事ではなく「美味しいビール」を提供するための気遣いなのです。
もちろん、これは一般論で、泡の量にも個人の好みがありますし、ビールの種類によっても異なります。
世界のビールを取り扱うビアバーのような場所で先輩と二人で飲むなんていうシーンでは、これを話題にしてもいいかもしれませんね。
ケースバイケースでビールを楽しいコミュニケーションツールに
最近は、宴会に飲み放題を取り入れる場合も多いです。
瓶ビールでお酌をするシーンがないかもしれません。
その場合は、グラスの飲み物が少なくなっていたら「同じものでいいですか?」「ビールでいいですか?」と一声かけてみてはいかがでしょうか。
これだけでも、会話のきっかけをつかみ、コミュニケーションを図ることが出来ます。
気遣いの気持ちが伝わることが一番のマナー。
「誰かがこうしなければいけない」ではなく、同席した人が気持ち良く楽しく宴会を楽しめるように、みんなで心がけましょう。
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