この記事でわかること:
- ヘイジーIPAと通常のIPAの違い(外観・苦味・香り)
- ヘイジーIPAが飲みやすい3つの理由(製法と原料)
- おすすめ国産・輸入ヘイジーIPA7選
- 美味しい飲み方(適正温度・グラス選び)とペアリング
- 初心者がヘイジーIPAを選ぶときのポイント
「ビールは苦くて苦手」と感じたことはありませんか。そんな方にこそ試してほしいのが、ヘイジーIPA(Hazy IPA)です。フルーツジュースのようにジューシーで、通常のIPAとは一線を画す飲みやすさが魅力のクラフトビアスタイルです。本記事では、ヘイジーIPAの基本知識からおすすめ銘柄7選、飲み方のコツまでわかりやすく解説します。
ヘイジーIPAとは?通常のIPAとの3つの違い

ヘイジーIPA(Hazy IPA)は、アメリカ北東部のニューイングランド州発祥のビアスタイルです。「ニューイングランドIPA(NEIPA)」とも呼ばれ、その名の通り濁った(ヘイジー)外観が最大の特徴です。2010年代中頃からアメリカで爆発的な人気を得て、現在では世界中のクラフトビールシーンで定番となっています。
通常のIPA(インディア・ペールエール)と比較したときの違いは大きく3点あります。
- 外観の違い:通常のIPAが澄んだ黄金色なのに対し、ヘイジーIPAはオレンジ〜黄色みがかった不透明な濁りがあります。これはビールが傷んでいるサインではなく、酵母・タンパク質・ホップ成分が自然に溶け込んだ状態です。
- 苦味の違い:通常のIPAが苦味指標(IBU:International Bitterness Units)50〜70以上の強い苦さを持つのに対し、ヘイジーIPAはIBU 30〜50程度と控えめです。
- 香りの違い:通常のIPAはホップの苦味が前面に出ますが、ヘイジーIPAはマンゴー・グレープフルーツ・パッションフルーツのようなトロピカルフルーツの香りが中心で、まるでジュースのようなフルーティーさが特徴です。
日本でも2020年代以降に急速に普及し、国内醸造所が900軒を超えた2026年現在、多くの醸造所がヘイジーIPAをラインナップに加えています。IPAとペールエールの基本的な違いについては、こちらのIPA・ペールエール解説記事もご参照ください。
ヘイジーIPAが飲みやすい3つの理由:製法と原料のヒミツ
①ドライホッピングで香りだけを引き出す
ドライホッピング(Dry Hopping)とは、発酵の後半段階や発酵後に生のホップを大量に加える製法です。通常の煮沸工程でホップを加えると苦味成分(アルファ酸)が溶け出しますが、ドライホッピングでは温度が低いため苦味成分はほとんど抽出されず、香り成分(ホップオイル)だけを最大限に引き出せます。
「フルーティーな香りは強く、苦味は控えめ」というヘイジーIPA特有のプロファイルを生む、最も重要な製法上のポイントです。
②オーツ麦・小麦がまろやかな口当たりを実現する
ヘイジーIPAの多くは原料の一部にオーツ麦(オート麦)や小麦を使用します。これらの穀物はタンパク質を豊富に含み、ビールに適度な濁りを与えながら、クリーミーでまろやかな口当たりを実現します。通常のIPAにある「カクカクした苦味の引っかかり」がなく、するりと飲めるのはこの原料の効果です。
③フルーティーな新世代ホップの活用
ヘイジーIPAには主に以下の新世代ホップ品種が使われます。これらのホップが組み合わさることで、まるでトロピカルジュースのような香り豊かなビールが完成します。
- シトラ(Citra):グレープフルーツ・ライム・パッションフルーツのアロマ
- モザイク(Mosaic):ブルーベリー・マンゴー・松のような複雑な香り
- ギャラクシー(Galaxy):パッションフルーツ・桃・柑橘の爽やかなアロマ
おすすめヘイジーIPA7選:国産・輸入を厳選

国産おすすめ5選
1. ヤッホーブルーイング FAC Hazy IPA(長野県)
長野県・軽井沢を拠点とする日本を代表するクラフトビール醸造所。2026年春に発売した限定バッチはシトラ・モザイクホップを使用し、グレープフルーツと熱帯果実の爽快なアロマが際立ちます。よなよなの里オンラインストアや全国のクラフトビール専門店で購入できます。
2. 伊勢角屋麦酒(三重県)
三重県伊勢市の老舗醸造所がアメリカのブルワリーとのコラボで生み出したヘイジーIPA。国際ビールコンペで高評価を獲得しており、蜂蜜のような甘みと柑橘のアロマが絶妙なバランスです。リピーターが多い定番銘柄。
3. 奈良醸造(奈良県)
2026年のWorld Beer Cup(世界最大のビールコンペ)でダブル金賞を受賞した注目ブルワリー。地元奈良の水と厳選ホップを組み合わせたヘイジーIPAは、透明感のある香りと奥行きある味わいで世界に認められた品質です。
4. 箕面ビール(大阪府)
大阪・箕面を拠点とする人気醸造所。「パパイヤ」「マンゴー」「パイナップル」を想起させるトロピカルなアロマが豊かで、果実の甘みと柔らかな苦味のバランスが絶品。関西エリアの酒販店での入手がしやすい銘柄です。
5. 六甲ビール ヘイジーセッション(兵庫県)
アルコール度数4%と低く、毎日飲みたいデイリーヘイジー。イチゴや柑橘を思わせる複雑な香りが国際コンペで銀賞を受賞。「ビールは重たい」と感じる方に特におすすめの軽やかな一本です。
輸入おすすめ2選
6. ブルックリン・ブルワリー パルプアートヘイジーIPA(アメリカ)
ニューヨーク発の人気クラフトビールブランドの看板ヘイジーIPA。パイナップル・マンゴー・トロピカルフルーツのアロマが爆発し、心地よい甘みと軽やかな苦味が後を引きます。日本の大型酒販店でも比較的入手しやすい銘柄。
7. サミュエル・アダムス ニューイングランドIPA(アメリカ)
ヘイジーIPA発祥の地・ニューイングランドを代表する老舗ブルワリーのスタンダード銘柄。ホップ由来のジューシーさと程よいコクを兼ね備え、「ヘイジーIPAとはこういうものだ」という基準を学べる教科書的な一本。
ヘイジーIPAの美味しい飲み方とペアリング
適切な温度と注ぎ方
ヘイジーIPAは9〜12℃がもっとも香りが際立つ温度帯です。冷蔵庫から出してすぐ(約5℃)では香りが閉じてしまうため、取り出してから5〜10分ほど置いてからグラスに注ぐと、アロマを存分に楽しめます。
グラスはチューリップ型のIPAグラスがおすすめです。口が内側に絞られた形状がホップの香りを集め、飲むたびに豊かなアロマが鼻に届きます。缶から直接飲むよりも、グラスに注ぐだけで香りの印象が格段に変わります。
相性の良い料理5選
ヘイジーIPAのフルーティーな甘みと柔らかな苦味は、以下の料理と特によく合います。
- チキングリル・ローストチキン:ジューシーな肉の旨みとフルーティーなビールが絶妙にマッチ
- スパイシーなアジア料理(タイカレー、エスニック料理):ビールのフルーティーさがスパイスの刺激を和らげる
- シーフードフライ(エビフライ、白身魚のフリット):揚げ物の油脂感をすっきり洗い流す
- フルーツ系デザート(マンゴープリン、レアチーズケーキ):フルーティー同士の相乗効果で豊かな余韻
- 塩焼き魚・刺身:控えめな苦味が和食の繊細な旨みを引き立てる
クラフトビールと料理のペアリングをさらに深く学びたい方は、クラフトビールと料理のペアリング完全ガイドもあわせてご覧ください。
まとめ:ヘイジーIPAはクラフトビールの入口に最適
- ヘイジーIPAはニューイングランド発祥のクラフトビアスタイルで、濁った外観・フルーティーな香り・控えめな苦味が特徴
- 飲みやすい理由は「ドライホッピング」「オーツ麦・小麦の使用」「フルーティー品種ホップの活用」の3つ
- 国産ではヤッホーブルーイング・伊勢角屋麦酒・奈良醸造・箕面ビール・六甲ビールがおすすめ
- 輸入ではブルックリン・ブルワリーとサミュエル・アダムスが入手しやすく品質も確か
- 飲む温度は9〜12℃、チューリップ型グラスでアロマを最大限に引き出そう
- チキン・スパイシー料理・フルーツ系デザートとのペアリングが特におすすめ
「ビールは苦くて苦手」という方こそ、まずヘイジーIPAを試してみてください。通常のIPAとはまったく異なる、トロピカルジュースのようなジューシーさに、クラフトビールへの印象がきっと変わるはずです。
23歳の時に古いビル1棟を飲食ビルにして起業。
ビールが好きすぎてクラフトビール醸造はじめちゃいました。

